元英語教師なっぴの思春期の子育て☆

元英語教師・今主婦・母のなっぴが生活をワクワクさせるような情報や英語や子育ての話を提供していきたいと思います!

ブログ小説「(仮)恋する弁護士たち~泣きたいくらい君が好き~第5話『萌の秘密〇〇』」

恋する弁護士たち

 

登場人物のイメージ

飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)

32歳くらいの時の玉木宏…風の人

 

相原萌(主人公 パラリーガル) 

18歳くらいの時の有村架純…風の人

 

山内美恵子(法律事務所の所長)

60歳くらいの音無美紀子…風の人

 

山内健太郎(英慈の親友の弁護士)

32歳くらいの佐々木蔵之介…風の人

 

第5話 萌の秘密〇〇 

萌は事務所でボーッと、英慈のことを考えていた。

 

英慈がニコッと笑った顔を思い出すと、萌は胸が高鳴った。

 

イケメン俳優が無差別級に一般人を魅了するのに似ていた。

 

萌は、英慈に惹かれている気持ちを認めたくなかった。

 

萌は、午後6時30分過ぎに事務所を出た。

 

待ち合わせ場所に向かっていた。

 

萌は歩きながら、いろいろ考えていた。

 

(飯島先生には、終始一貫、毅然とした態度をとろう!)

 

(さっさと食事をして帰ろう。

面倒くさいことにはなりたくないから。)

 

萌は疑心暗鬼になって、いろいろ考えまくっていた。

 

こんなイケメン俳優みたいなハイスペックな男性がなぜ自分を食事に誘ったのだろう…と。

 

(いったいどういうつもりなの?)

 

(…もしかして、若い子と食事したいのかもよ…。

…ていうか、あわよくば、私をもて遊ぶつもり…?!)

 

(まさか、本当に私を気に入っているなんて…?

そんなことないか…。

それは考えすぎ!

きっとお堅い議員生活だから、若い女の子と気楽に食事したいだけだよ。)

 

萌は、もし万が一英慈が自分を気に入っているのなら、なんとかして嫌われよう…とも思っていた。

 

だから、作戦も練っていた。

 

(まあ、私と食事をしたら、たいていの男はドン引きするから、そんな心配はいらないか…。)

 

(そうよ。素の私を見れば、きっとあきれる。

今までもそうだったし。

だから、気楽にいこう。)

 

7時前に光友銀行の前に着くと、すでに英慈は待っていた。

 

英慈は約180cmあるので、遠目でも目立っていた。

 

美形で長身の男がスラリと立っている。

 

道行く女性が思わず目を止めて見ていた。

 

トレンチコートを見事に着こなしている。

 

立っているだけで絵になる。

 

まるで英慈は、雑誌から抜け出したモデルのようだった。

 

(素敵だわ。本当に…。)

 

萌は英慈に見惚れていた。

 

男性と外で食事するのは、久しぶりだった。 

 

それだけでも緊張する。

 

(こんなにも美形の議員さんと食事することになるなんて…。)

 

萌は戸惑っていた。

 

萌「飯島先生、ごめんなさい。遅れてしまって。」

 

英慈「いや、俺も今来たところ。」

 

萌「どこに行くんですか?」

 

英慈「もう予約してあるんだ。」

 

萌「え、あ、はい。

私、そんなに高くないところがいいです。」

 

英慈「大丈夫、大丈夫!ついてきて。」

 

萌は、英慈のさりげない気遣いや言い方に心惹かれた。

 

目上の者へは敬意を示し、目下の者にも、けっして横柄な態度をとらない。

 

誰に対しても、丁寧に優しく接している。

 

気取らない態度にも好感がもてた。

 

英慈と接してみると、自然に警戒心がなくなった。

 

こういう人だから、市民に受け入れられ、地盤もないのに議員になれたんだろうな…と、萌は思った。

 

さっきまでの疑心暗鬼な気持ちがどこかに吹き飛んでしまっていた。

 

萌は、ある高級ハンバーグ専門店に連れていかれた。

 

「グリル・イシカワ」

 

隠れた名店だ。

 

二人は席についた。

 

萌「私、前からこのお店に来てみたかったんです!」

 

萌は興奮した。

 

萌「でも、敷居が高くて。

一人では絶対に入れないから。

だから、今日は本当にうれしいです!」

 

英慈はその言葉を聞けて、嬉しかった。

 

英慈「俺、ハンバーグが好きでさ。すごく美味しいんだぜ、ここのハンバーグ!」

 

でも、萌は「あんまり高いと困るな」…と思っていた。

 

英慈「もう頼んであるんだ。」

 

萌「飯島先生、準備がいい…。」

 

英慈「飲み物を注文しなくちゃね。」

 

英慈はウェイターを呼んだ。

 

英慈「僕は赤ワインを。

萌ちゃんも赤ワインでいい?」

 

萌(萌ちゃんって言われた…。)

 

萌はポッとなった。

 

萌「私、飲めないんです。ウーロン茶ありますか。」

 

ウェイター「はい。ございます。」

 

萌「じゃあ、ウーロン茶をお願いします。」

 

ウェイター「はい。かしこまりました。」

 

赤ワインとウーロン茶が来た。

 

英慈「乾杯しようか。」

 

萌「はい…。」

 

英慈「じゃあ、萌ちゃんとのはじめての食事に…乾杯!」

 

萌「乾杯…。」

 

英慈と萌は、グラスをカチン…と合わせた。

 

なんとも言えないロマンチックなムードだった。

 

英慈はデートに慣れている。

 

段取りがよくて、まったくスキがなかった。

 

英慈「そうだ。萌ちゃん、外で「先生」はやめてくれる?

みんな聞いてるからね。」

 

萌「そうですよね。すみません。

では、なんてお呼びすればいいですか。」

 

英慈「まあ、そうだな。名前で…。英慈さん…とか…。」

 

英慈は、少し照れていた。

 

萌はキョトンとした。

 

萌「な、何言ってるんですか。

それはできません!

言えませんよ。いくらなんでも。

じゃあ、飯島さん…でいいですか。

「飯島さん」と呼ばせてください。」

 

英慈はちょっとガッカリした。

 

あわよくば、名前で呼んでほしかった。

 

英慈「ああ、いいよ。「飯島さん」で。」

 

萌「じゃあ、飯島さん。」 

 

そう呼ばれ、英慈は気を取り直し、ニコっと笑った。

 

ドキッ!

 

英慈の笑顔が萌をときめかせた。

 

萌(こ、これは、まるでデートだ!)

 

今更ながら、萌は自分の置かれている状況に気づいた。

 

「こんな素敵な人とこんな素敵な店で、二人きりで食事するなんて、たぶん、もう一生ないだろう」…と、萌は思った。

 

(もう、これは一つの記念として楽しもう。記念として…。)

 

しかし、英慈の顔を見ると、自然にときめいてしまう。 

 

(イケメンの力って、すごいな…。)

 

萌はウーロン茶をゴクリと飲んだ。

 

(こんなふうにときめいてしまう女性は、きっと数えきれないくらいいたんだろうな…。)

 

(いかん、いかん!

私は、この人に心惹かれないようにしなくちゃ!

心をかき乱されるのはゴメンだ!)

 

萌は気持ちを引き締めた。

 

ハンバーグが来た。

 

萌は、髪をゴムでたばねた。

 

英慈は、そのしぐさにドキっとした。

 

萌「いただきます!」

 

萌は、ハンバーグをフォークとナイフで切り分け、パクッと食べた。

 

萌「ん~!おいしい〜!!思ったとおりですっ!」

 

英慈「だろ?

ここのハンバーグは最高級なんだ。

A5ランクの和牛を使ってるんだよ。」

 

萌「A5ランクの和牛?!

すごい!私、こんなおいしいハンバーグ食べたことありません!」

 

英慈は、萌が喜んで食べているのを見て、嬉しそうに笑った。

 

萌は、いつも通りパクパク食べた。

 

ゆっくり食べようと思ったが、そのおいしさに耐えきれなくなり、5分くらいで全部の料理をペロリと平らげてしまった。

 

英慈はあ然として、目を見開いた。

 

しかし、まだ序の口だった。

 

萌「飯島さん、おかわりしてもいいですか。

私、自分で食べた分は自分で払いますから。

私、お勘定のことは気にせず、最初から割り勘で、ご飯は気がねなく食べたいんです。」

 

英慈は、この申し出にかなりビックリした。

 

デートのとき、自分にこんなにハッキリとお勘定のことをいう女の子はいなかったからだ。

 

英慈「あ、ああ…。」

 

萌「すみません。店員さん。

このハンバーグ、単品で追加できますか。

サラダとかスープは、いらないんで。

あとライスは大盛りにできますか?」

 

ウェイター「はい。単品もライス大盛りも、ご用意できます。」

 

萌「それと、お勘定は最初から別々にしてください。店員さん。」

 

ウェイターと英慈は、顔を見合わせた。

 

ウェイター「……。はい、かしこまりました。」

 

英慈は思わず、口をポカンと開けてしまった。

 

英慈は、「デートのときに、最初からお勘定のことを言うことや、おかわりしてモリモリ食べるなんてありえない」…と、ただただ驚いていた。

 

すぐに、追加が来た。

 

萌は、ハンバーグを実においしそうに、パクパク食べた。

 

ライスの一口も大きかった。

 

萌「あー。箸がほしいな。

フォークだと食べにくい。」

 

英慈はウェイターを呼んだ。

 

英慈「すみません、お箸を持ってこれる?

それと、もう一皿、ハンバーグとライスを。ライスは大盛りで。」

 

萌「えっ、どうして…。」 

 

英慈「だって、たりなさそうだぞ。

そうだな。だいたい10分後に。

持ってこれる?」

 

ウェイター「かしこまりました。」

 

英慈「店員さんとは顔なじみなんだ。

常連だからさ。俺。」

 

案の定、萌は2皿目をすぐにペロリと平らげてしまった。

 

食べ終わるとすぐに3皿目のおかわりがきた。

 

萌はハンバーグを箸で割った。

 

幸せそうに、白めしとハンバーグを箸で交互に口の中に放り込んだ。

 

英慈はモリモリ食べる萌を、あ然としてジロジロ見ていた。

 

そのうち、笑いがこらえられなくなった。

 

英慈「いや〜、すごいな!!

アハハハハ!!

ご、ごめん!!

こんなに楽しい食事ははじめてだよ!!いや〜!すごいっ!!

衝撃的だなっ!!」

 

英慈「クックックックッ!アハハハハ…!」

 

萌(やっぱりね!こうなると思った!)

 

英慈「これだったのか!秘密って!

内心、何なんだろうな~って、楽しみにしてたんだぜ!

いや〜!驚いたな!」  

 

英慈は、泣きそうなくらい笑っていた。  

 

恥ずかしかった。

 

周りのお客さんも英慈の笑い声に驚いて、こっちを見てる。

 

客層が上質だから、チラッと見るくらいで、萌はそんなに嫌じゃなかったけれども。

 

萌「飯島さん、そんなに笑わないでください!

みんな見てますから!

まあ、…別にいいですけど。

慣れてますから。」

 

萌は気にしないで、モグモグと食べていた。

 

英慈「いったいどれくらい食べられるの?」

 

英慈は、ワインをゆっくりと楽しんでいたので、まだ自分のハンバーグを半分も食べてなかった。

 

萌「だいたい、5人前くらいですかね。」

 

英慈「すいません。

この子が食べ終わる頃に、あと2人分をいっぺんに持ってきてもらえる?

一つの皿に盛りつけて。」

 

ウェイター「はい。かしこまりました。」

 

萌「えっ!」

 

(どうしよう。

そんなに持ち合わせがない。

もう、いいや。

乗りかかった船だ。

カードで払おう。 

おばあちゃんに今月は、ピンチって、甘えようか…。)

 

英慈「萌ちゃん、ごはんの一口が大きいね。

最初はびっくりしたけど、食べ方がすごくキレイだよ。

ずっと見ていたくなるな。

なんか萌ちゃんが思いっきり食べてるの見てると、こっちも幸せな気分になるよ。」

 

萌は、英慈の発言を意外に思った。

 

萌「大食いを褒められるなんて、はじめてです。

男の子の前で大食いを見せちゃうと、たいてい変な目で見られて、ドン引きされますからね。

飯島さんみたいに大爆笑した人もいましたし。」

 

英慈「ホントごめん!

傷つけてたら、ごめんな!

気持ちいい食べっぷりで、俺は好きだな。

特に、お米をおいしそうに食べるところが。」

 

萌「私、お米大好きなんです!

うちは栃木の米農家だから、お米はいっぱいあるんです。

うちでとれるお米は日本一おいしいんですよ!

おじいちゃんに萌はたくさん食べるから、売るお米がなくなっちゃうって、冗談でよく言われました。」

 

追加分がきた。

 

二人前のハンバーグが一皿にドーンと乗っていた。

 

ライスもてんこ盛りだった。

 

英慈(すごい量だな!)

 

英慈「…家で、お米はいつも何合くらい炊くの?」

 

萌「朝は2合ですね。炊飯器は2台あります。」 

 

英慈「昼めしはどうしてるの?」

 

萌「お昼は、お弁当で5人分くらい持っていきます。

もちろん、自分で作って。

買うとかなりお金かかっちゃうから。」

 

英慈「それにしてもこんなに食べるのに、スマートだよね。

太らないの?」

 

萌「ホント、この体質、死んだ母に感謝です。

母も大食いで、すごく痩せてたって。」

 

英慈「そうなんだ。

お母さん、亡くなったの?」

 

萌は、「あ、しまった!」…と思った。

 

口を滑らせてしまった。 

 

萌(まあ、いいか。飯島先生と食事するのは、これで最初で最後だし。)

 

萌「母は私が3つの時に交通事故で亡くなって。

父はもともといなくて。

私、おじいちゃんとおばあちゃんに育ててもらったんです。」

 

英慈「……。

そうなんだ…。

じゃあ、自慢の孫娘だね。

早稲田卒で弁護士志望の才女。

それにチャーミングで可愛いよ。」

 

食べる手が止まった。

 

萌は急に褒められて、照れて何も言えなくなってしまった……。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

ブログランキングに参加しています ♪ ♪

  ↓ ↓ ↓

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

ポチっとしてくれたら、うれしいです♡

読者登録お願いします♪ ♪

金運・恋愛運アップのことなら、願いを叶える通販サイト「星のしずく」