恋する弁護士たち
恋愛経験が少ない男女専門の結婚相談所・お見合い・婚活サービスは【ピュア婚】
登場人物のイメージ
飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)
32歳くらいの時の玉木宏…風の人
相原萌(主人公 パラリーガル)
18歳くらいの時の有村架純…風の人
山内美恵子(法律事務所の所長)
60歳くらいの音無美紀子…風の人
山内健太郎(英慈の親友の弁護士)
32歳くらいの佐々木蔵之介…風の人
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第7話 最高のレストランデート
萌「飯島さん、あの…真面目な話、していいですか?」
萌はせっかく敏腕弁護士が目の前にいて二人きりで食事しているのだから、思い切って、気になっている事件について聞いてみようと思った。
英慈「えっ何?どうしたの、急に。」
萌「飯島さんに、ある事件の法的見解をおうかがいしたいのですが…。大先輩として。」
英慈「ああ、いいよ。話してみて。」
萌「つい数日前、母子家庭の餓死寸前の幼児虐待事件のニュースがあったじゃないですか。ご存知ですか。」
英慈「ああ知ってるよ。M市の事件だろ。」
萌「ええ。そうです。あれ、美恵子先生の知り合いの弁護士の先生が関わった事件なんです。
それはご存知でしたか。」
英慈「いや、知らなかったよ。
どんなふうに関わったの。刑事?民事?」
萌「民事事件です。この事件が起こる前の話です。
この母親の離婚案件で、調停で親権争いをしたんですって。
そもそも離婚の原因はこの母親の不貞行為なんです。
結局、親権は母親に渡るという判決が出たんです。養育費ももらう形で。
なのに、この母親、離婚後、新しくできた彼氏と半同棲状態になって、あげく子どもが邪魔になって、育児放棄して子どもを置き去りにしたんです。
しかも、事件が発覚した時は、彼氏と旅行中で、この子どもは何日間も食べるものを与えられず放置されてたんです!
自分が不倫して離婚したんですよ!
親権まで勝ち取って養育の権限を得たくせに、育児放棄するなんて、私、絶対に許せないです!!」
英慈「この事件は、保護責任者遺棄罪になるよな。
でも、まあ、とにかく、餓死する寸前で保護されてよかったよ。餓死したら、致死罪だからな。
最近は児童虐待犯罪の量刑が厳罰化されたしな。」
英慈「で、その弁護士はどっちを弁護してたの?」
萌「父親です。もともと妻の不貞行為を疑って、離婚の相談に来たんです。
不倫されて、子どもまで奪われるのは嫌だと、断固戦うと…。とても子煩悩な方だったみたいです。
なのに、こんな結果になってしまって、その弁護士の方は、あの時、父親に親権が渡ってればこんなことにならなかったのにって、自分の力不足を悔やんでるって、美恵子先生はおっしゃってました。」
英慈「実際、父親が親権を獲得するのは簡単じゃないよ。
父親が親権を取れる確率は約1割程度だからな。」
萌「たったの1割!」
英慈「ああ、そうだよ。
俺、サンライズにいた時、父親に親権取らせたことあるけど。」
萌「えっ、本当ですか?」
英慈「うん。だから、父親に親権を取らせることは不可能じゃない。
でも、なかなかたいへんだったよ。
父親に監護実績を作らせてね。」
萌「どんなふうに監護実績を作るんですか?」
英慈「実際に、地道に育児に取り組んでいる実績を作るんだ。
保育園に送り迎えしたり、保育園のノート書いたり…。
会社から帰ってきたら、子どもと一緒に遊んだり、寝かしつけたり…とか、まあ、いろいろだよ。」
萌「普通、父親ってフルタイムで働いてるじゃないですか。
そんな中で監護実績作るのってたいへんですよね。」
英慈「ああ、たいへんだよ。
あと、不測の事態の時に、だれか面倒見てくれたり、フォローしてくれる祖父母が同居したり、近所に住んでたりすれば、親権とれる好条件にはなるよね。
その父親の場合はどうだったんだろうね。」
萌「そこまでは…わかりませんけど…。
お腹を痛めて産んだからって、母親が一方的に有利なんて…そういう考えに偏るのは、改めるべきだと思います。
自分の恋愛にかまけて育児放棄するなんて母親失格です。
私、不倫するような母親に親権なんか渡るべきじゃないと思います!!
どうして裁判所はそこを見極めてジャッジしてくれなかったのかしら!」
英慈「不貞行為は夫婦間の問題だから、親権問題とは別なんだよ。
まあ、今回のケースは完全に裁判所が見誤ったんだろうけど。
日本はどうしても「母性優先の原則」が根本にあるからな。
親権獲得には、今まで面倒見てきた監護実績が物を言う。
母親が不倫してても、そこはあまり重要視されないんだよ。
俺は、「単独親権」じゃなくて「共同親権」なら、こんな親権争いなんてしなくてもいいと思うんだよ。
親権を奪い合うなんて日本くらいだよ。
先進国は「共同親権」の国がほとんどだし、俺は、日本も将来「共同親権」を認めるべきだと思うね。
親権が共有できたら、今回のケースだって未然に防げたかもしれないじゃないか。
日本は遅れてるんだよ。今だに「単独親権」なんだから。」
萌「私は、基本「単独親権」のままでいいと思います。
このケースは、「共同親権」まで話を広げるということではなく、もう少し父親に親権が獲得できる条件を緩和したり、認めてあげてもいいのではないかと…。
私は、もっと父親が親権を取れるように、柔軟に対処してもいいのではないかと思いました。
男親だからって、ちゃんと養育できないとは限らないし。
つまり、不貞行為を犯した者に、母性優先だからといって、安易に親権を与えるのは間違っているのではないかということです。
本当に養育にふさわしい親に、適切に親権が与えられるべきだと思います。
不倫するような母親に、安易に親権なんか渡るべきじゃないと思います!!
実際に、こんな事件が起きてしまったわけですから。」
英慈「確かに、今回は奥さんに不倫されて、旦那さんが子どもまで奪われた理不尽なケースだと思うよ。
でも、これは残念ながら、よくある判決結果だよ。
不倫しようが、母親に監護実績があれば、普通は母親に親権が渡るからな。
これは判決としては妥当だと思うよ。
でも、なぜ「単独親権」がいいの?
「共同親権」であれば、両親が協力して子育てをすることができるし、養育費の支払いだって滞ることは減るだろうし、俺はメリットがたくさんあると思うけどな。
離婚したって、両親そろって子どもに関わったほうが、子どもにとってもいいんじゃないのか。何よりも「子どもの福祉」のために。」
萌「それでも、私は「共同親権」には同意できません。
それは、元配偶者がまともな場合です。配偶者のDVが原因で離婚している人だっているんですよ。
もうこの人とはやっていけない、縁を切りたいと思っているから離婚するんです。
共同親権なんてとんでもない…って思ってる人は多いんじゃないでしょうか。
……。私は制度を変えるとか、そんな大それたことを言ってるんじゃないんです。
不貞行為した母親が親権取って離婚して、新しい恋人ができて、育児放棄、そして、あげくに虐待死…これは一つのパターンになりえると思うんです。
こういう事件が起きるということは、不貞行為と親権問題はまったく別問題とは言えません!
私は…私はこの事件が、不貞行為をした母親に対して安易に親権が渡るようなことがないように、見直されるきっかけになればいいと思っています。」
英慈(なかなか言うじゃないか。でも、おもしろい!)
英慈の議論魂に火がついた。
二人は議論し合った。
英慈も萌も議論好きだった。
二人は、思う存分論戦をした。
萌(不思議…。こんなに議論しても、ケンカにならない。
いつもなら、自分と意見が違うと、お互いに険悪なムードになるのに。
それにしても、飯島先生は知識の量がすごい!
経験値も高いから、敵わないし。
当然よね。海千山千の弁護士なんだから。
私なんて足元にも及ばないわ。
たとえ自分と意見が違っても、認めるところがたくさんあるから、飯島先生の意見を素直に吸収してしまうんだもの。
それに、自分と意見が違っても、飯島先生の言い方に配慮があるからまったく腹が立たない。
こんなのはじめてだわ。)
そのうち、親権の話から飛び火して、いろんな法律の話になり、意見を交わし合った。
英慈は、仕事以外でこんな話をするのが、新鮮でおもしろかった。
二人は時間が経つのも忘れて、政治や経済の話もした。
英慈は自分の専門の政治の話になると、特に、熱を帯びて話した。
英慈は、魂が喜んでいた。
細胞が活性化していた。
自分の気に入った女の子とこんなに真剣に政治経済や法律の話ができるなんて思ってもみなかった。
英慈は、二人で話すこの時間をとても有意義に感じていた。
萌もこういう話が好きだった。
萌の友達はこんな堅い話は好きではないので、そんな話はできない。
だから、萌も、こういうたぐいの話ができて嬉しかった。
萌は英慈に尊敬の念を抱いた。
(本当にすごいな。この人…。本当にすごい!)
萌「飯島さん、さすがです。勉強になることばかりです。
私、こんなすごい人に、自分の未熟な意見を言ってたなんて…なんか恥ずかしいです…。」
英慈「俺も、若い法律家の卵の意見が聞けて、楽しいよ。
普段、こんな話できないからな。しかも、こんな可愛らしい女の子と。
久しぶりだよ。こんなに論戦したの。」
萌「可愛らしいだなんて…。
じょ、冗談言わないでください!」
萌は照れて、慌てて否定した。
英慈「冗談じゃないよ。本当に可愛いよ。」
英慈はクスッと笑った。
照れている萌をますます可愛いと思った。
真面目な話が終わると、萌は水をゴクゴク飲んだ。
萌は、いつもの子どもっぽい顔に戻っていた。
萌「あー、真面目な話をいっぱいしたから、なんだかお腹すいちゃったなぁ。」
英慈(5人前ペロッと食べといて、すごいな…!この子の食欲!!)
英慈はウェイターを呼んだ。
英慈「おかわりを…。」
萌は慌てた。
萌「飯島さん!ハ、ハンバーグのおかわりはもういいです。さすがに…。」
英慈「そう。じゃあ、何か盛り合わせでも頼もうか。口直しに。
メニューを持ってきてくれる?」
萌「飯島さん!…だったら…あの…、私、オレンジジュースがいいです。
の、喉乾いちゃって…。しゃべりすぎちゃったから…。」
英慈「そう…。じゃあ、オレンジジュースを。それと赤ワインも。
あ、やっぱり、なにかオススメの盛り合わせも持ってきて。」
英慈は勝手に盛り合わせも頼んでしまった。
ウェイター「かしこまりました。」
ドリンクと盛り合わせが来た。
英慈はゆっくりと赤ワインを飲んだ。
英慈は、まだ萌を帰したくなかった。
まだまだ萌との会話を楽しみたいと思っていたから。
さっきとは打って変わって、世間話やたわいのない話をした。
萌「飯島さん、プリンの起源ってご存知ですか。」
英慈「えっ、知らないけど。萌ちゃんはプリン好きなの?」
萌「はいっ!大好きです!
飯島さん、プリンはイギリスで考案されたんですよ。
どこで誰が考案したと思います?」
萌はプリンのウンチクを話し始めた!
英慈「えっ、ちょっとわからないな。」
萌「えー、考えてくださいよ。」
英慈「イギリスの王室とか?」
萌「ブーッ!はずれです!」
萌は食べ物の話になると、目が輝いて話した。
英慈「萌ちゃんは、食べ物について詳しいんだ。」
萌「はいっ!私、食べるの大好きですからっ!
好きな食べ物については調べまくっちゃうんです。私。」
英慈「そうなんだ…。」
英慈はクスッと笑った。
萌「じゃあ、ヒントです!それは…」
萌は延々とプリンの話をした。
萌は嬉しそうにずっと話していた。
英慈は綺麗な顔でニコニコ笑って、一生懸命におしゃべりする萌を穏やかに見つめてウンウン…と聞いていた。
英慈は楽しくて仕方がなかった。
萌は、すべて受け止めてくれる英慈に好感を持った。
萌(大人の包容力って、すごく心地いい。
飯島さんっていいな…。)
萌は英慈に容赦なく惹かれていた。
萌は時計を見た。
気がつくと、来店してから2時間以上が経っていた。
もちろん、注文の品はすべて萌がきれいに完食していた。
萌「飯島さん。今日はおいしいものを思う存分食べられて幸せでした。
ごちそうさまでした!」
英慈「萌ちゃん、デザートを頼んでいるんだけど、もう無理かな?」
萌「えっ!本当ですか?!
無理なわけないじゃないですか!
デザートは別腹です!
もちろん、いただきます!」
英慈はウェイターを呼んだ。
英慈「今日のデザートをお願いします。」
萌はワクワクした。
デザートがきた。
生クリームとフルーツがたっぷりのったデラックスなプリンアラモード。
萌「うわっ!すごい!私の大好きなプリンアラモード!
なんて豪華なの!おいしそう!!」
英慈「今日のデザートはプリンアラモードか!ちょうどよかったな。」
萌「はいっ!」
萌はプリンをパクっと一口食べた。
萌「う〜ん!おいし〜い!!」
萌は、ニコニコが止まらない。
萌「このプリンアラモード、牛乳のコクがすごいですっ!
今まで食べた中で、1番おいしいプリンアラモードです!」
英慈「そう。それはよかった!」
ウェイターが頃合いを見計らってやってきた。
ウェイター「おかわりはいかがなさいますか。」
英慈「ああ、1つ持ってきてください。」
萌「あの、飯島さん!もう大丈夫です。
デザートはこれでおしまいにします。
お気づかいありがとうございます。」
英慈「え、なんで?」
萌「もうお腹いっぱいなんです。」
英慈「なんだ、そうか。
まだまだ入ると思ったのにな。
あと、10人前くらい。」
英慈はからかった。
萌「10人前って!もう、飯島さん!
私のことなんだと思ってるんですか?
私だって、限界がありますよ。
底なし沼じゃないんですからね!」
ちょっとプクッとふくれた萌の顔が、最高に可愛かった。
七海もちょっと怒ったとき、そういう顔をした。
英慈は、完全に萌にノックアウトをくらってしまった。
萌のことが大好きになってしまった。
英慈(会話がはずんで、すごく楽しい!
さすが法律家の卵だ。
政治や経済の話もできて、話が尽きない!
性格もバッチリ合う。
相手が誰であろうと怖気づくことなく、意見する。
生意気なところも魅力的だ。
七海に顔はソックリだけど、中身はぜんぜん違う。
まったく真逆だな。)
英慈はクスッと笑った。
明朗快活で、自立心旺盛。
頭脳明晰。
感情豊かでチャーミング。
ちょっと気が強くて、素直なところ。
照れ屋で、男慣れしていないところ。
そして、何よりも生命力あふれる食べっぷり。
すべてが好きになった。
見た目もタイプだが、中身も完全に惚れてしまった。
英慈(女性をちゃんと好きになるなんて、何年ぶりだろう。
七海以来だから、15年ぶりか…。)
英慈は、萌を見ていると体がウズウズした。
ガツガツ食べる唇がいやらしかった。
(たらふく食べた腹は丸くふくれているのだろうか。
白くて、モチモチと柔らかそうだ。
触ってみたい。
萌は、挿入しているときにどんな顔をするのだろう。
あのプクッとして唇が、俺をどう攻めるのか…。)
英慈は、萌とセックスすることを考えていた。
英慈の想像は止まらない。
英慈は、体がカーッと熱くなり、英慈のモノはすでに固くなっていた。
萌を抱きたい。
英慈は、絶対にこの子を手に入れたいと思った。
英慈がそんなことを考えているなんて、萌は知る由もなかった。
萌「ごちそうさまでした。」
束ねた髪をゴムからはずし、長い髪にもどした。
英慈は、そのしぐさにまたドキッとした。
食事が終わると、英慈は会計の札をサッと取って、レジに向かった。
英慈「お会計は一緒にしてください。」
萌「えっ!」
店員「はい。かしこまりました。43000円でございます。」
萌は、目玉が飛び出るんじゃないか…と思うくらい、ビックリした!
英慈「じゃあ、これで。」
英慈はゴールドカードをサッと出した。
萌「ダメです!飯島さん。
私、自分の分は自分で払います!
あんなに食べたんだもの。
ダメですよ。お願い!
自分の分は自分で払わせてください!!」
英慈は、笑って言った。
英慈「ダメだよ。
そもそも俺が誘ったんだし。
じゃあ、こうしようか。
次は、萌ちゃんがたくさんおごってよ。
今回はこれで払わせて。
ポイントもたくさんつくしね!」
…と言って、軽くウィンクした。
英慈は、カードで支払いを済ませた。
萌は、英慈の大人の対応にしびれた。
英慈「じゃあ、また来るね。」
店員「ありがとうございました!」
英慈の気配りが完璧すぎて、萌は自分がプリンセスになったような気分だった。
何から何までカッコよかった。
やっぱりできる男は違う…と思った。
「嫌われるように振る舞う」という当初の計画は、途中までは成功したかのように思えた。
…が、結局は失敗に終わってしまったのかな…と、萌はふと思った。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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