元英語教師なっぴの思春期の子育て☆

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ブログ小説「恋する弁護士たち~泣きたいくらい君が好き~第15話『萌、倒れる!』」

恋する弁護士たち

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登場人物のイメージ

飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)

32歳くらいの時の玉木宏…風の人

 

相原萌(主人公 パラリーガル) 

18歳くらいの時の有村架純…風の人

 

山内健太郎(英慈の親友の弁護士)

32歳くらいの佐々木蔵之介…風の人

 

山田綾香(法律事務所の事務員)

伊藤沙莉…風の人

 

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第15話 萌、倒れる!

 

あのカツアゲ事件から数日が経っていた。

 

萌、サンライズ事務所にて。

 

萌(はぁ~。飯島さんのことが頭から離れない。

あんなことに巻き込んじゃって!

バカバカ!萌のバカ!

あの時…抱きしめられちゃった…。

あー!もう!頭の中グチャグチャだよ!

どうしよう…。なにもはかどらないよー。)

 

(…だって、ずっと、あの場面がフラッシュバックしちゃってる…。

あれっ、なんか顔が熱い!

あの人のこと考えてるせい…?

…じゃない気がする…。

体も熱いな…。

なんか頭痛いし…気持ち悪い…。

なんか…変だ。私…。)

 

健太郎「萌ちゃん、この間頼んだ判例は集まってる?」

 

萌「あ、まだです。急ぎですか?」

 

健太郎「まあ…。そんなには急いでないけど。

でも、明日までに用意できるかな。早く知りたいんだ。」

 

萌「わかりました。すぐやります。」

 

山田「あれ、相原さん、なんか顔色悪いけど…。疲れてる?」

 

萌「…。えっ?そう?大丈夫だけど…。」

 

山田「なら、いいけど…。無理しないでね。」

 

萌「うん。ありがと。山田さん。」

 

健太郎「えっ、萌ちゃん、体調悪いの?

判例集め…山田さんに頼もうか?」

 

山田「えー!私、やったことないですよー!」

 

萌「いえ、大丈夫です…。

大丈夫だから、山田さん。

私、できるから。」

 

山田「そ、そう。無理なら言ってね。

私、がんばってやるから。」

 

健太郎「…あんまり無理するなよ。」

 

萌「…はい。」

 

(ちょっと疲れてるだけよ。頭痛いけど…。

でも…なんか体がポカポカしてる。

やっぱり…変だ。私…。

今日は残業しないで、早く帰ろう。

今日は土曜日だし、早く帰ってゆっくりしよう。

寝れば治るわ、きっと…。)

 

 

一方、英慈の事務所では…。

 

あの一件以来、英慈の中では萌との関係が深まったと感じていた。

 

だから、英慈の心は毎日ポカポカしていた。

 

英慈は、萌からもらった大食い動画を自分の事務所で観ていた。

 

英慈「クックックッ…。」

 

英慈は、この2つの動画を観ている時は、必ず笑いがこみ上げてくるのだった。

 

紺野さつきは、さっきからずっと、スマートフォンを眺めて一人でニヤニヤ笑っている英慈を見て、気味悪く思い、首をかしげていた。

 

さつき「先生、さっきからずっと、ニヤニヤ笑って、どうしたんですか。

気持ち悪いですよ。

いったい何観てるんですか。」

 

秘書兼事務員のさつきが言った。

 

さつきは、英慈が初当選したときからずっと英慈を支えてきた。

 

さつきは、よく働いてくれる気のいい50代のおばちゃんで、一人で英慈の事務所を切り盛りしていた。

 

法律事務の仕事も秘書の仕事も、何でもこなしていた。

 

さつきは英慈に軽口をたたけるくらい、英慈との関係は良好であり、お互い信頼し合っていた。

 

英慈「いや、最近、大食い動画にはまっちゃってさ。

これ観ると元気出るんだよね。」

 

さつき「じゃあ、先生が最近、機嫌が良くて絶好調なのは、その大食い動画のおかげだったんですね。」

 

英慈「えっ、俺、絶好調だったっけ?」

 

さつき「はい。最近、顔が穏やかで、いつもニコニコしてますよ。

それに、実際、仕事も物事がいろいろスムーズに進んで、いい結果出してるじゃないですか。

たとえば、この間の陳情の吉田さんの件で、事故が多かった場所のガードレールの移動の件とか。

先生が市にかけあって動いたら、市がすぐに調査して適切な位置に動かしてくれたじゃないですか。

あと、障害児を持つ本橋さんの保育園の入園取り消しの件も、先生がすぐに動いて、無事に入園が決まった…って、本橋さんも喜んでましたよ。」

 

英慈「ああ。あれね。

あれは、たまたま運がよかったよね。 

役所の担当者が物わかりのいい人だったからさ。

いつもこんなスムーズにはいかないよ。」

 

さつき「またまた。そんな謙遜しなくていいですよ、先生。

ガードレールの件は、先生が現場に何回も行ってたじゃないですか。

特に、雨の日とか、通学時間とか、条件を変えて何度も。

どれだけあそこが危険かということを綿密に調査を行って、その結果を示して担当者を納得させたから、市も動いたんですよ。

保育園のことだって、受け入れ拒否が本当に妥当なのか、保育士の数の余剰や予算の無駄遣いはないかまで調べ上げたじゃないですか。

お子さんの障害の度合いとか、本橋さんからずいぶん細かく聞き取って、実際にお子さんにも会ってましたもんね。

普通、そこまでしますか。市議って。」

 

英慈「あの保育園はね、基本的にサボってたのさ。予算と保育士の数を見て、何かピンときちゃって。

保育士の数に余裕を感じてさ。

保育現場も見たけど、適当にやってた感じがあったんだよ。

できるのにやらなかったから、そこをついたわけ。

人的体制、設備体制が整っていて、対応可能なのにも関わらず、入園拒否することは、障害者差別解消法の障害者の権利利益を侵害してるって、主張したら、保育課の課長が一緒になって園長を説得してくれたんだ。

課長が物わかりのいい人だったし、俺の主張を全面にバックアップしてくれたから、うまくいったんだよ。

それに、本橋さんのお子さんの障害の度合いも、軽度の発達障害だからできたの。

障害が重かったら、議論の対象にすらならないよ。

いろいろな要素が対立しなかったから、うまくことが運んだのさ。

だから、まあ、運がよかったよね。今回のケースは。」

 

英慈「それに、俺は弁護士だからさ。証拠は現場に行って徹底的に納得するまで調べ上げないと、気がすまないの。

俺は、基本的にしつこいの。

一種の職業病ってやつかな。

だから、担当者も証拠つきつけられて、面倒くさくなっちゃったんじゃないの? 

証拠なんてなくても、市民のためにすぐに動いてほしいよな。

まったくダメだね。役所のメカニズムってのは。」

 

英慈「おまけに、俺のお袋、今だ現役の保育士だし。

保育園の本音の話もいろいろ聞ける立場だったからね。俺は。

ホントのこというと、この件が解決したのは、お袋のおかげなんだよ。」

 

さつき「えっ、そうなんですか?

先生のお母さまのおかげって?どういう意味ですか?」

 

英慈「お袋、実は雇われ園長しててさ。いろいろ保育園の内情を聞いたわけ。

障害児を受け入れるかどうかは、園長の意志一つなんだってさ。

やろうと思えばやれるんだって。

どこも一緒だよね。会社も保育園も。トップの考え方一つ。」

 

さつき「でも、先生は本当にねばり強かったですよ。

その保育園の園長先生の気持ちを変えたわけですから。」

 

英慈「アハハ。そうかな。

運がよかっただけだよ。」

 

さつきは、英慈の外見だけでなく、男気にも惚れ込んでいた。

 

だから、パートでも忠義心を持って、ずっと長く務めていられたのだ。

 

さつき「先生があんまり熱心にやってくれるもんだから、うわさが広がっちゃって。

市民相談の申込みがたくさん入ってきちゃってますよ。

これからもっと忙しくなりますよ。どうするんですか。こんなに。

弁護士の仕事だってあるんですから。ただでさえ忙しいのに。」

 

市民の間では、英慈は実行力があると、密かに噂が広がっているのだ。

 

英慈「評判がいいのはありがたいけどさ。

陳情もあまりにも多すぎると困るよな。ほかにも市議はいるわけだし。

だって、ただの悩み相談もあるんだよ。」

 

英慈はクスッと笑った。

 

さつき「もしかして、先生のハンサムな顔を見にきたいだけじゃないですか?」

 

英慈「アハハ…。何言ってんだよ!さつきさん!

まあ、でも…忙しすぎだからなぁ。ここ最近。」

 

さつき「先生、体調は大丈夫なんですか?」

 

英慈「うん。俺は体力には自信があるから、体の方は大丈夫なんだけどさ。

でもさ、市議の仕事は陳情処理だけじゃないし、俺だってなんでも解決できるわけじゃないからなぁ。」

 

さつき「そうですよね。

先生、市民に頼まれるとなんでも引き受けちゃうし、がんばりすぎちゃうから。

先生の体は一つしかないんですからね。

本当に体には気をつけてくださいよ!先生!」

 

英慈「アハハ!大丈夫だよ!それは!」

 

英慈は時計を見た。

 

次のスケジュールが押していた。

 

英慈「そろそろ時間だ。さつきさん、これからタウンミーティングに出かけるから、あとよろしく。

時間になったら帰っていいから。

戸締まりよろしくね。」

 

さつき「はい、先生。行ってらっしゃい。」

 

英慈は、車でタウンミーティングに出かけた。

 

タウンミーティングでは、3時間もの間、市民と白熱した意見交換をした。

 

ミーティングが終わると、あたりは暗くなっていた。

 

5時をまわっていた。

 

英慈は疲れていた。

 

英慈は、大通りの道路脇に車を止めて、一息ついていた。

 

さっきコンビニで買った缶コーヒーを車の中で飲んでいた。

 

窓の外に目をやると、スーツを着た若い女の子がフラフラとおぼつかない様子で歩いていた。

 

やがて、その女の子は足を止めた。

 

ビルの壁に手をかけて、背中を丸めてなんとか立っていた。

 

咳をして、体調が悪そうだった。

 

英慈は、よく目を凝らして見た。

 

英慈「あれ?ひょっとして…?」

 

道端で体調が悪くなって、吐いているような様子だった。

 

英慈(えっ、うそだろ? まさか?!)

 

英慈は、急いで車から降りて、その女の子の元にかけよった。

 

しゃがんでうずくまっているので、顔が見えない。

 

英慈「大丈夫ですか?」

 

女の子は顔を上げた。

 

萌だった…。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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