恋する弁護士たち
恋愛経験が少ない男女専門の結婚相談所・お見合い・婚活サービスは【ピュア婚】
登場人物のイメージ
飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)
32歳くらいの時の玉木宏…風の人
相原萌(主人公 パラリーガル)
18歳くらいの時の有村架純…風の人
第17話 看病の果て
英慈は、ベッドに萌を寝かした後、萌の部屋を片付け始めた。
台所の流しにたまった食器を洗い、床に散らかったゴミを拾いひとまとめにした。
台所の床も雑巾でキレイに拭いた。
雑巾が真っ黒になった。
山積みになっている洗濯物や脱ぎ散らかされた服を畳み、スーツをハンガーにかけた。
落ちている靴下や下着を洗濯機に入れ、他の洗い物と一緒に洗濯機を回した。
洗濯が終わると、洗濯物を室内に干した。
テーブルの上の散らかった本やノートを重ねて、文房具はペンケースに納めた。
これで、勉強できるスペースができた。
置きっぱなしのいろいろなものを所定の位置だと思われる場所に戻していった。
部屋の床もホウキで掃いて、ゴミや塵を取った。
萌の部屋はスッキリと整頓されてピカピカになり、見違えるようなきれい部屋になった。
もう夜の9時をまわっていた。
英慈は自宅に帰ろうかと思ったが、萌のことが心配だった。
次の日は日曜日。
普段の日曜日なら、どこかのイベントに顔を出したり、交流会に参加したりしていた。
それは、市議会議員としての仕事の一環だった。
珍しくこの日曜日は仕事が入っていなかった。
英慈(明日はたまたま参加する行事もないし。
泊まっていこうか…?)
英慈の胸に、甘い誘惑の気持ちがフツフツと湧き上がった。
英慈(泊まっていこう。
どうせ萌だって、次の日も看病が必要だろうし。)
英慈はお腹がすいたので、自分の晩御飯の食事を作ろうと思った。
台所には、米は萌の実家から送ってきた、栃木米の30kgの米袋がドーンとおいてあった。
萌の言ってた通り、炊飯器は2台あった。
炊飯器で米を炊いた。
萌の冷蔵庫は、家族4人用の大きな冷蔵庫だった。
6畳一間のワンルームのアパートには、似つかわしくない冷蔵庫だ。
英慈は、冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の中は卵とお茶のペットボトル、調味料しかなく、ほぼ空っぽだった。
英慈(あーあ、これじゃ餓死するぞ。大食いなんだから。)
ゴミの中身を見ると、料理をした形跡が全くと言っていいほどなかった。
英慈(家事をする時間を極力省いて、必死に勉強してたんだな。
メシも菓子パン、レトルトとかカップ麺ばかりじゃないか。
これじゃ、体を壊すよな…。)
受験勉強がたいへんだったとはいえ、萌はハチャメチャな生活をしていたことが容易に想像できた。
英慈は米が炊けたので、レトルトカレーを温めてカレーライスを一皿分作って、食べた。
インスタントの味噌汁があったので、お湯を注いで味噌汁を飲んだ。
その後、お風呂を沸かしに行った。
追い炊き式のお風呂だった。
英慈はバスタブに張ってある水を見て、ギョッとした。
水が汚れていた。
何日も水を替えずに、追い炊きしていたようだった。
英慈「うわぁ、汚れてるな、こりゃあ。」
英慈はお風呂の水をすべて流した。
タワシで簡単にバスタブの汚れを落としてから、キレイなお湯を張った。
お湯を張った後、英慈はお風呂に入った。
英慈は狭いバスタブに浸かっている時に、タイルの汚れが目についた。
英慈(あー、ずいぶん汚れてるな。)
英慈はどうしても掃除したくなった。
あまりにも汚れている場所を見たので、何もせずにはいられなかった。
英慈はきれい好きな男だった。
風呂から上がった後に、英慈は
腰にタオルを巻いて、裸のまま掃除した。
どうせ汚れるから、その方が都合がよかった。
ついでに、トイレの掃除もした。
お風呂もトイレもピカピカになった。
英慈(あー、風呂もトイレも、汚れがひどかったな!
どんだけ掃除してないんだよ。萌は!)
掃除の後は、案の定、体が汚れてしまった。
汗もかいていた。
英慈(あー、段取りが悪かったな。風呂入る前に掃除すればよかったな。)
結局、もう一回お風呂にザブンと入った。
英慈(あー!ピカピカになったお風呂は気持ちいいなぁ!)
英慈はお風呂にゆったりと浸かって、くつろいだ。
英慈はお風呂から出て着替えて一段落すると、あらためて綺麗になった部屋を見渡した。
英慈(あー、空気が澄んでる!)
英慈はとても清々しい気持ちになった。
萌の部屋は、来たときとは打って変わって別の部屋のようだった。
淀んた空気は一切なくなり、綺麗に整理整頓された清潔で明るい部屋になった。
英慈(これは一緒に住んだら大変なことになるぞ…。)
…と、クスッと笑った。
英慈は萌の汚部屋に呆れながらも、ハチャメチャな萌との同棲生活を想像して、ホッコリと幸せな気持ちになっていた。
英慈はベットの脇に行って、萌の顔を見た。
英慈「スヤスヤと赤ちゃんみたいな顔して眠ってるよ…。
まったく心配ばかりかけやがって。
本当に明日には良くなってくれよ。萌…。」
英慈は萌の頭をそっと撫でた。
そして、英慈は萌のベッドに寄りかかって座った。
すると、急に疲れがドッと出た。
英慈(……今日はいろいろ大変だったな。……疲れたよ…。)
英慈は床に横になった。
そのうち意識が遠のき、コタツの中で深い眠りに落ちていった。
朝が来た。
英慈は8時に目が覚めた。
グッスリと眠ったので、英慈の頭はスッキリしていた。
英慈(あー、よく眠ったから気分がいい!
畳で寝たから少し体が痛いな。
冷蔵庫が空っぽだから、朝食の材料を買いにいかなくちゃな。)
英慈は食材を買いに、近くのスーパーに買い物に出かけた。
リンゴ、バナナ、牛乳、卵、ベーコン、ハム、豆腐、油揚げ、納豆あと、歯ブラシと冷えピタ…。
だいたい、1、2食分だから、これぐらいでいいだろう…と、簡単に買い物を済ませた。
英慈は、萌のアパートに戻った。
英慈は、成り行きとはいえ、萌の家に一晩泊まってしまったので、気分が高揚していた。
英慈(歯ブラシも買ったしな…。)
まるで同棲カップルのようだ…と少しウキウキしていた。
萌の家で一夜を過ごして、なんとも言えない幸せな気持ちになっていた。
英慈は、さっそく台所に立った。
お米を鍋で煮て、卵を入れて蒸して、卵雑炊を作った。
リンゴをおろし器で擦って、すりリンゴにした。
バナナも輪切りにして食べやすいようにした。
あとは、自分の朝食を作った。
英慈は健康に気をつけている和食派だ。
お米を炊いた。
味噌汁は、豆腐と油揚げを作った。
ベーコンエッグを作り、ドリンクは牛乳。
果物にリンゴとバナナ。
あとは、納豆を準備した。
いつも自分で作っている定番の朝食だった。
2人分の朝食ができた。
朝の10時近くになっていた。
萌は目が覚めた。
萌(あれ…体が楽だ。)
萌(あれっ、冷えピタがおでこに貼ってある。)
萌は不思議に思った。
萌は昨日の記憶をたどった。
萌(昨日いったい何が起こったんだろう…?)
事務所を出て、帰ったところまでは覚えていたが、その後の記憶があいまいだった。
萌(朝からなんとなくダルくて、無理して仕事に行ったんだった。仕事中にだんだん具合悪くなっちゃったんだ。昨日は…。
それから、事務所から帰る途中、熱っぽくてすごく気持ち悪くなった…。
そこまでは覚えてる。
その後はちゃんと覚えてない。
そのあと、倒れた…のかな?
もしかして、救急車で運ばれたとか…?
それはないよね?
今、アパートにいるんだから。
でも、なんで私、アパートにいるのかな?
自力でアパートに帰ったの?私…?)
萌は考えれば考えるほど、わからなかった。
あたりを見渡すと、自分の部屋がきれいになっていることに気づいた。
萌(これは、いったい…?!)
萌はとても驚いた。
台所からいい匂いがしてきた。
萌(台所にだれかいる!)
萌は、まだ体がダルくて立ち上がるのが億劫だったが、いてもたってもいられなかった。
怖い…という気持ちはまったくなかった。
部屋がこんなに美しく整理整頓されていることに感動していたからだ。
萌はきれいになった部屋を見て、だれかの愛情を感じざるをえなかった。
好奇心と不安が入り混じった気持ちで、萌はベッドから出て、台所の方へ歩き出した。
6畳と台所の間は、引き戸で仕切られている。
萌「おばあちゃん…。
もしかして来てるの?
…おばあちゃん?」
萌は恐る恐るゆっくり引き戸を開けた。
引き戸を開けると…
英慈がいた…!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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