恋する弁護士たち
恋愛経験が少ない男女専門の結婚相談所・お見合い・婚活サービスは【ピュア婚】
登場人物のイメージ
飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)
32歳くらいの時の玉木宏…風の人
相原萌(主人公 パラリーガル)
18歳くらいの時の有村架純…風の人
山内美恵子(法律事務所の所長)
60歳くらいの音無美紀子…風の人
山内健太郎(英慈の親友の弁護士)
32歳くらいの佐々木蔵之介…風の人
山田綾香(法律事務所の事務員)
伊藤沙莉…風の人
第19話 美恵子のお弁当
司法試験まで2週間をきった。
英慈は、萌のアパートに行って以来、サンライズには一切顔を出さなくなっていた。
代わりに、英慈の秘書兼事務員の紺野さつきがよく来るようになっていた。
今日、さつきは大きな紙袋を持ってきていた。
さつきは、事務所に来ると、美恵子に会ってすぐに帰っていった。
お昼の時間になった。
最近は、萌は、昼休みになるとコンビニに買い物に出かけるようになっていた。
萌が、コンビニにお昼ごはんを買いに行こうとしたとき、美恵子が萌に声をかけた。
美恵子「萌ちゃん、ちょっと待って。」
萌「はい。何でしょうか。」
美恵子「ちょっと話があるの。」
萌「はい…。」
萌は、なんだろう…と、ビクビクした。
美恵子「萌ちゃん、この間の土曜日、事務所から帰った後、熱出して倒れたんだって?
試験が近いんだから、気をつけなきゃね。」
萌「…はい。
でも…美恵子先生、どうしてそれを知ってるんですか?」
美恵子「健太郎と飯島くんが電話で話してるのを聞いたのよ。」
萌(飯島さん経由だと、筒抜けになっちゃうんだ…。)
美恵子「たいへんだったわね。
仕事も普通にどんどん頼んじゃって。
萌ちゃんに頼むと確実だから、気軽にあれこれ頼んじゃって。
試験前なんだから、もっと気遣ってあげるべきだったわ。
気づいてあげられなくて、悪かったわね。」
萌「美恵子先生、何をおっしゃるんですか。
仕事のせいなんかじゃありません。
単に、私が自分の体調管理をできなかっただけなんです。
かえってご心配をおかけしてすみませんでした。
もう大丈夫ですから。」
健太郎がちょうど事務所に戻ってきた。
健太郎「ただいま…。」
美恵子「萌ちゃん、これからお昼ごはんよね。」
萌「はい。コンビニに行って買ってきます。
毎日あんまり寝てないんで、もう家でお弁当を作っている余裕はないんです。」
美恵子「コンビニ弁当なんてダメよ。
また倒れたらどうするのよ!
私は、あなたの実家のお祖母様から、あなたのことを預かっているのよ。
また倒れられたら、うちの責任だって怒られちゃうじゃない。
だから、はい!
これ食べて。」
美恵子は、萌の机に大きな二段重ねのお重をドン!…と、置いた。
萌「えっ!これは…。」
(すごいボリュームだ…)
萌「お弁当ですよね…。」
山田が駆けつけてきた。
山田「うわぁ、すごい!二段重ねのお弁当ですね。
しかも、お重!」
健太郎は、黙って状況を見ていた。
萌「あの…。
これは、ちょっと…。
いったい…。」
どうしていいかわからなくて、モゴモゴしていた。
美恵子「これは、所長命令です!
私が司法試験前日まで、お弁当を作ってくるから、絶対にそれを食べること。
つべこべいうのは、なしよ!
所長命令だからね!」
萌「えっ…!あの…!そんな…え…」
美恵子「つべこべ言わない!
感謝してるなら、合格して恩を返しなさい!」
萌は、思いがけない申し出に、感極まって涙目になった。
萌「……。
あ、ありがとうございます…。
……。
そ…それでは、しっかり食べさせていただきます…。
…私は、本当に幸せ者です…。
…こんなによくしていただいて…。
仕事も…一生懸命に働いて、必ずサンライズに恩をお返しします!
合格も必ず勝ち取ります!」
山田「美恵子先生!カッコいい!
私、ずっと美恵子先生についていきます!
私も一生懸命に仕事する!
サンライズのために!」
美恵子「山田さんも司法試験受けるなら、お弁当を作ってあげるからね!」
山田「え〜!私は、未来永劫、受ける気なんて1ミリもありませんから!
でも、サンライズでの仕事はがんばります!」
美恵子「とにかく、みんな健康第一でやらないとね。
どんな仕事でもね。」
山田「相原さん、お弁当開けてみてよ。」
萌「うん。」
健太郎が興味津津で覗きにきた。
萌はお弁当を開けた。
皆、お弁当の中身を見て、驚いた。
卵焼き、筍の煮物、鶏の照り焼き、野菜の肉巻き、ビーマンの和え物、ひじきの煮物…など、1つ目のお重には野菜たっぷりのおかずがギッシリ入っていた。
2つ目は、おにぎりがギッシリ詰まっていた。
健太郎「うひょ〜!すげ〜!
まるで、運動会かピクニックみたいだ!
俺のときは、司法試験一週間前に、こんな豪華弁当なんて、作ってくれなかったよな!」
美恵子は、健太郎の発言にドキッとした。
山田「すごい!美恵子先生、料理もすごい腕前!
なんでもできるスーパーウーマンなんですね!
これは、栄養を考えたお弁当屋さんのお弁当ですよ!」
美恵子「…。う、うん。まあね…。」
健太郎は、美恵子の顔を見て、「何かあるな」と思った。
言いたいことはあったが、あえてツッコまずにいた。
美恵子も健太郎の反応を警戒していた。
健太郎「じゃあ、俺は今から食事に行ってきま〜す。」
美恵子「ちょっと待って!健太郎先生。
私も一緒にごはん食べるわ。
たまには、親子で食べよう。
じゃあ、山田さん、萌ちゃん、事務所の電話番よろしくね。」
山田、萌「はい!いってらっしゃい。」
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