元英語教師なっぴの思春期の子育て☆

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ブログ小説「恋する弁護士たち~泣きたいくらい君が好き~第20話『ランチタイムの秘密の会話』」

恋する弁護士たち

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登場人物のイメージ

飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)

32歳くらいの時の玉木宏…風の人

 

相原萌(主人公 パラリーガル) 

18歳くらいの時の有村架純…風の人

 

山内美恵子(法律事務所の所長)

60歳くらいの音無美紀子…風の人

 

山内健太郎(英慈の親友の弁護士)

32歳くらいの佐々木蔵之介…風の人

 

第20話 ランチタイムの秘密の会話

美恵子と健太郎は、「大盛り屋 きふね」に来ていた。

 

健太郎「ここ、萌ちゃん、常連なんだって。

普通の胃袋の人は、小盛りで注文するといいって言ってたよ。

小盛りでも多いくらいだって。」

 

美恵子はメニューをパラパラと見ていた。

 

美恵子「あっ、そうなの。

最近の若い人は、こういうところにくるのね。

あんたは、わりと食べるほうだから、小盛りでもいいと思うけど。

私はちょっと無理かもね…。

残すのも嫌だし…。

もっと少なめに注文できないかしら。」

 

美恵子は、店員を呼んだ。

 

美恵子「店員さん、カレーうどんをお願いします。あの、量は半分にできないかしら。」

 

店員「はい。大丈夫ですよ。でも、金額はこのままですけど。」

 

美恵子「もちろん、それでいいわ。」

 

健太郎「俺は、カツ丼を小盛りで。」

 

店員「かしこまりました。」

 

オーダーが来た。

 

美恵子は、一口カレーうどんを食べた。

 

美恵子「これ、出汁が効いてて、すごくおいしいわね!

私みたいなおばあさんは、量は半分でちょうどいいわ。」

 

健太郎「おお。さすが、B級グルメの萌ちゃんが言うだけある!

カツ丼もうまい!」

 

美恵子と健太郎は、大きな一軒家に二人で住んでいた。

 

健太郎は、実家暮らしが楽で、一人暮らしをしようとは思わなかった。

 

美恵子は、30過ぎた男は独身でも、独立して一人暮らしするのが普通だと思っていた。

 

しかし、ずっと母子家庭でやってきたので、やはり離れるのは寂しい…、だから、息子が実家にいたいのなら…と、健太郎の好きなようにさせていた。

 

健太郎が外泊しても、もう大人だから、特に干渉しないし、お互い自由にしていた。

 

健太郎「おふくろが、俺をお昼に誘うことなんて滅多にないよね。

なんか話があるんだろ。」

 

美恵子「うん。まあね。」

 

健太郎「おふくろ、もしかして、昨日の電話聞いてたの?

飯島としゃべってたやつ。」

 

美恵子「うん。萌ちゃん、土曜日に倒れたって話でしょ。」

 

健太郎「やっぱりね。それで、どこまで知ってるのかな?」

 

美恵子「どこまでって。それぐらいよ。

あんまり聞こえなかったし。」

 

健太郎「で、何の話?

話なら、夜、家で話せばいいじゃない。

なんでわざわざ昼に、俺を呼んだの?」

 

美恵子「夜じゃ間に合わないんだって!

さっき、飯島くんの秘書の紺野さん、来たのよ。

紺野さんが何しにきたと思う?」

 

健太郎「そういえば、今週は、飯島まだ来てないよね。

毎週なにかにつけて、顔見せてるじゃん。

でも、今週は用があると、紺野さんよこしてさ。

それと何か関係あるの?」

 

健太郎「あ、それと、おふくろ…、あんな弁当いつ作ったの?

おふくろ、料理そんなに上手じゃなかったじゃん。

いつの間にあんなスゲー弁当作れるようになったんだよ?

料理教室にでも通ったのかよ。

俺が小学校3年の時に、親父が死んでさ。

仕事と家事が両立できないって、住み込みの家政婦さん雇ったじゃない。

俺の遠足とか運動会とかのお弁当も家政婦の中村さんにずっと、作ってもらってたよね。

あんまり、おふくろの弁当も手料理も食べたことなかったよな。俺。」

 

美恵子「仕方ないでしょ。

あのときは、一人で事務所を経営していかなけりゃならなくて、必死だったんだから。

家政婦さんに家事一切をやってもらうしかなかったのよ。

それに、私、もともとあんまり料理得意じゃないし。

健太郎だって、毎日栄養満点でおいしいプロの料理を食べれてよかったんじゃないの。」

 

健太郎「おふくろ、そんななのに…。

あんなすごい弁当、急に作れるようになるのかよ?

ん…?!

もしかして、お弁当の話なの?

あの豪華弁当、おふくろが作ったんじゃないの?」

 

美恵子は、カレーうどんをズルズルと食べた。

 

美恵子「私があんな立派なお弁当作れるわけないじゃない!

筍の煮物なんて作ったことないわ。」

 

健太郎「やっぱり!

なんかおかしいと思ったんだよね…!」

 

美恵子「そうよ。私じゃない。

最近、料理なんて朝ごはんくらいしか、作ってないわよ。

それに、今や、アンタと私はただの同居人。

夜は、お互い別々に外食して勝手に食べてるんだから。 

まあ、たまには、私も適当に簡単なものくらいは作るけどさ。

今さら、お弁当なんて…。」

 

健太郎「じゃあ、だれが?」

 

美恵子は、カレーうどんをズルズルと食べた。

 

健太郎「えっ!まさか、飯島?!」

 

美恵子「そうなのよ!今朝、飯島くんから、電話があってね。

朝いちばんで、紺野さんを事務所に行かせるからって。

飯島くんが萌ちゃんのために、これから毎日、毎日よ!

…司法試験直前まで、お昼にお弁当を紺野さんに届けさせるって。

それで、お弁当は私が作ったことにしてほしい…って、言われたの。

自分がからんでいることは、絶対に秘密にしてくれって。

いったい、どうなっちゃってるの?

飯島くん…。」

 

健太郎の、ガツガツ食べていた箸が止まった。

 

健太郎「そっか…。アイツ…そこまで…。

もう、言葉が出ないね。俺…。」

 

健太郎「おふくろ、まだわかんないの? 

ニブすぎだよ!

飯島は、萌ちゃんに惚れてんの!

すげー惚れてんの!

そんなことするくらいなんだから。

それに、あいつ、料理が大得意なの!

あいつは、この前の電話で、萌ちゃんが倒れたこと、相当ショック受けてたんだ。

だから、最近どんな仕事させてるか、根掘り葉掘り聞かれてさ。

「試験前なんだから配慮しろ!働かせ過ぎだ」…って、怒られたし!

あいつ、どうかしちゃってるね。

うちの仕事のことまで口挟んでくるなんて、とんだ越権行為だよ!

常軌を逸してるというか…。

なんか、熱病に侵されたみたいなんだよな。

まるで、自分の身内かなんかみたいに心配してさ。

とにかく、飯島は、「今が一番大事なときだからって…」、

萌ちゃんを司法試験まで支えたいんだって!」

 

健太郎は、少し考えた…。

 

健太郎「そうか!わかったぞ!

だから、飯島、急に事務所に来なくなったんだよ。

自分が事務所に来ると、萌ちゃんのさまたげになるから。」

 

美恵子「えっ!そうなの?

なんかここ最近、ちょくちょく事務所にくるようになって、変だな…って思ってはいたのよ。

そういえば、それは、講演会の後からだったわね。

そうなんだ…。そうだったのね…。

いいじゃない!応援するわよ!飯島くんを!

萌ちゃん、すごくいい子だし。 

それにしても、飯島くんがそんなに情熱的だったなんて知らなかったわ…。

でも、これでやっと、飯島くんにも春が訪れたのね。

心配してたのよ。

あんなにいい男なのに、飯島くん、ぜんぜん女っ気がなかったから。」

 

美恵子「…。あ…、じゃあ、確認なんだけど…。

飯島くんと萌ちゃんって、もう正式につきあってるってことなんだよね?

そこまでするんだから。」

 

健太郎「いや、まだつきあってない。

あいつが勝手に好きなだけ…。」

 

美恵子「えっ、そうなの?!

うそでしょ?!

いい大人が?!

しかも、あんないい男が?!

片思い中なの?!

お弁当まで作って?!」

 

美恵子は、思わず、ブーッと、吹き出した!

 

美恵子「そうなんだ…!」

 

美恵子は、笑いがこみ上げてくる。

 

美恵子「でも、なんだかドキドキしちゃうわねぇ!

なんか、純愛って感じ…。

まるで切ない恋愛ドラマを観てるみたい…。」 

 

美恵子は、ワクワクして、少女のように目を輝かせた。

 

美恵子は、急にトーンダウンした。

 

美恵子「でもねぇ…。」

 

美恵子は健太郎をジッと見た。

 

健太郎「…なんだよ!」

 

美恵子「萌ちゃんは、飯島くんかぁ…。

実は、私、萌ちゃんみたいな子が、アンタのお嫁さんになってくれたらいいのにって、密かに思ってたのよ。

まだ、司法試験に受かってないとはいえ、いずれは受かるだろうし。

アンタと一緒になってくれればなって、内心思ってたんだけどねぇ。

そうすれば、事務所も安泰なんだけどなぁ。」

 

健太郎「えっ!まさか!

勝手に俺の嫁さん決めるなよ!

ムリムリムリムリ…!

俺、まったくタイプじゃないから。

ああいう子どもっぽい顔の子は!」

 

美恵子「そうよね。アンタ、自由人だからね。

どうなっちゃうのかな。

事務所経営…。

なんか、アンタ一人に経営を任せるのは、すごく不安なのよね…。

しっかりしたいい子がアンタと結婚して、事務所やってってくれないかなぁ…。

萌ちゃん、ピッタリだと思ったんだけどな…。

健太郎、アンタ、もう33なんだからね!そろそろ、身を固めて…」

 

健太郎は、すぐさま美恵子の言葉をさえぎった。

 

健太郎「なんだよっ。俺の話に飛び火するなよ!」

 

美恵子は老後のことを考えて、ため息をついた。

 

美恵子「わかった!

とにかく、お弁当のことはそういうことだから、萌ちゃんには、私が家で作ったってことにしておいてよ!

余計なことは言わないように。

…以上!

じゃあ、私、先に行くわね。

お金払っといてね。」

 

健太郎「えっ!おごってくれないのかよ…。」

 

…と、健太郎は情けない声を出した。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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