恋する弁護士たち
恋愛経験が少ない男女専門の結婚相談所・お見合い・婚活サービスは【ピュア婚】
登場人物のイメージ
飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)
32歳くらいの時の玉木宏…風の人
相原萌(主人公 パラリーガル)
18歳くらいの時の有村架純…風の人
三上由奈(萌の親友・大学院生)
23歳くらいの大島優子…風の人
奥村透(英慈の後輩・市議会議員1年生)
26歳くらいの志尊淳…風の人
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第21話 バッティングセンター
司法試験まであと7日になった。
5月のゴールデンウィーク明けの翌週に司法試験が始まる。
司法試験は4日間かけて実施される。
この日はゴールデンウィーク最終日。
親友の由奈は、萌に試験前の激励会をしようと、息抜きを兼ねて遊びに誘った。
由奈はてっきり断られるかと思ったが、萌は快諾した。
この日は、「アクティブ西山スポーツセンター」に来ていた。
ここは、ゴルフの打ちっぱなしとバッティングセンターが併設された、ハイソな雰囲気のおしゃれなスポーツ施設だった。
この施設の中にあるバッティングセンターは、萌と由奈の行きつけだった。
スポーツの後は、シャレたレストランラウンジがあり、そこでおいしい食事をするのが、定番のコースだった。
二人は、ソフトボール部のエースだったので、バッティングセンターは、ストレス解消の絶好の場所だった。
由奈と萌は、おのおののバッティングブースにいた。
大きな声で、話しながらフルスィングしていた。
由奈「萌、あと1週間だね。試験。準備はOK?
激励会は、断られるかと思ったよ。」
由奈は飛んできたボールを勢いよく、
バットに当てた。
カーン!
萌「いい当たり!由奈、絶好調だね!」
萌「由奈が激励会をしてくれるって聞いて、すごくうれしかったよ。
ちょうど息抜きしたかったんだ!
もう今さら、ビビってるようじゃダメだよ!
やるだけやってるから、本番でベストを尽くすだけだよ。」
萌は、バットを振って、飛んできたボールを当てた。
カーン!
萌「やった!ヒット!」
萌「由奈は、彼氏とうまくやってるの?」
由奈「う〜ん。ボチボチかな。彼、今年就職したの。
今、会社に慣れるのに大変で、なかなか会えないんだ。」
由奈は、スイングした。
由奈「ゴロか…!」
萌「由奈はいいよね。将来の見通しが立ってて。仕事も恋愛も。」
由奈「そんなことないって。
私だって大学院に入ったばかりだから、仕事なんて決まってないし。
彼氏だって、まだ就職したばっかりだよ。
見通しなんてたってないよ。萌と一緒だよ。」
由奈は、萌を思いやった。
萌はスィングした。
カーン!!
萌「よっしゃ!ホームランだ!」
萌はガッツポーズをして、次の球に備えた。
萌は、今、「無理にでも強気にならなければならない」という気持ちと立ちはだかる恐怖とが入り混じった情緒不安定な状況だった。
だから、思い切りボールをかっ飛ばすことで、不安を解消しようとしていた。
萌「私なんて、先行き不透明で、将来なんか不安でいっぱいだよ!
由奈みたいにいい彼氏もいないし。
恋愛だって、司法試験受かるまで封印してるし…。」
萌「試験に落ちたら、また恋はおあずけ!
ずっとおあずけ!
もう一生独身かもしれない!」
萌「ずっと先のことが何も決まらない人生になるかもしれないんだよ!
本当に試験に落ちたらどうしようって、毎日、不安で押しつぶされそうだよ!」
萌はスイングしたが、空振りした。
萌「あっ……!くやしいっ!」
勢いで体が回った。
由奈「弱気になるなよ!萌!
絶対に大丈夫!
萌なら絶対に大丈夫だから!
今どんなに辛くたって、高校3年間、あんなに辛い練習に耐えられたんだから、今回も絶対に耐えられるから!」
萌は、由奈が大好きだった。
由奈の言葉が胸に染みた。
萌は、打つのを止めた。
由奈の方のブースに向かって行った。
萌は、ヘルメットを脱いで下に落とした。
萌「由奈〜!!」と、由奈の胸に飛び込んだ。
由奈は、萌がいきなり抱きついてきてビックリしたが、慣れているので萌をヨシヨシした。
由奈「えっ、泣いてるの?
もぉ、あんたは本当に泣き虫だね。本当は強いのに…。」
一方、英慈と後輩議員の奥村透は、このスポーツセンターにゴルフ練習をしに来ていた。
奥村は、今回初当選した市議会議員1年生だ。
奥村は、英慈を兄貴のように慕っていた。
そして、英慈も奥村の面倒をよくみていた。
今日は、ゴルフ初心者の奥村を連れてゴルフ練習に来ていた。
英慈はスイングした。
奥村「飯島さん、ナイスショット!
スイングうまいっすね。」
英慈「まあな。俺は、24、5の時始めたからな。
おまえも、今からやっとけば大丈夫だよ。
上手くなるから。
ゴルフは、男のたしなみだからな。仕事でもプライベートでも。
これから、どんどん有権者や後援会の人たちと行くことになるからな。」
奥村「ですね。
僕も上達して、早くコースに出たいですよ。
でも、意外と難しいですね。なかなかボール、飛ばないんですよね。
練習しないと。」
英慈と奥村は、もう1時間以上練習していた。
英慈は喉が渇いた。
英慈「奥村、俺ちょっと自販機に行ってくるから。おまえもなんか飲むなら、買ってきてやるぞ。」
奥村「ああ。いいっすよ。僕はドリンク持ってきてますから。」
英慈はゴルフ練習場を出て、自販機に向かった。
スポーツドリンクを買うと、周辺をブラブラと散歩した。
ちょっと歩くと、バッティングセンターエリアがあった。
バッティングセンターを見学できる場所があり、そこのベンチに座った。
ドリンクを飲んでボーッと、スイングしている人たちを見ていた。
若い女の子で、ダントツにうまい子が二人いた。
かっ飛ばしまくっていた。
英慈(すげーな。あの子たち!
ヒット打ちまくってるよ!)
よく見てみた。
英慈(?!…えっ!)
英慈(うそだろ。萌がいる!)
綺麗なフォームで、ガンガン打ちまくっているのは、萌と由奈だった。
英慈は目が離せなかった。
萌は思いっきりバッドを振った。
カーン!
萌「やった!大きい!
また、ホームラン級!」
萌と由奈は、打ちながらオシャベリを楽しんでいた。
由奈「あ、萌、うちのお姉ちゃんの話聞いてよ。
うちのお姉ちゃんの子ども今、3歳でさ、広汎性発達障害なんだよね。」
由奈もどんどん来る球を打ちまくった。
萌「汎用性発達障害?
なに、それ?聞いたことない。」
由奈「それがね、市の保育課がひどいんだよ。
4月から職場復帰するから、保育園に入園申請したの。
で、審査に無事に通って入園許可が降りたんだけど。
でも、障害があるってわかったら、急に入園取り消しになったんだよ。」
萌「えっ!ひどい!
入園取り消し?!
でも、障害の度合いってあるでしょ?
あんまり障害が重いと、集団生活は難しいんじゃないの?」
由奈「うちの姪っ子は、軽度の発達障害なの。
発達障害っていろいろあるけど、うちの場合は、多動とか自閉症とかじゃなくて、人との関わりがちょっと苦手っていうか、その程度なんだよね。
しかも、女の子だから大人しいの。
でも、集団生活はしたことないから、実際のところはまだわからないんだけどね。
私からみたら、大丈夫そうなんだけど。」
萌もどんどん来る球をかっ飛ばしていた。
萌「一度、許可しておいて取り消すなんてひどいね。
お姉さん、社会復帰できないじゃない。
もう5月だけど、どうなったの?」
由奈「で、お姉ちゃん、ダメ元で、市議会議員に陳情しに行ったんだよ。」
萌「えっ!すごい行動力!」
由奈「そう!母は強し!
そしたら、その議員さん、すごく親身になって相談に乗ってくれて、市に掛け合ってくれたの。
それで、入園が無事に許可されたんだよ。
こんなことってあるんだね。
議員なんて、普段、何やってるかわからないじゃん。
選挙の時ばっかり票を入れてくれってお願いしてさ。」
萌は、英慈のことを思い浮かべた。
あの人も普段、こういうことやってるんだろうか…と。
萌「まあ、そうだよね。議員さんって、普段は何やってるか、ちょっとよくわからないよね…。
議会やってるときとかは、わかりやすいけど…。」
由奈「だから、お姉ちゃんの一件があってから、ちゃんと仕事してくれる議員もいるんだな…って、思ったんだよね。」
萌「そうなんだ。
とにかく、お姉ちゃんよかったね!」
由奈「うん!」
萌と由奈は、ボールを打ちまくって思う存分楽しんだ。
そうとう疲れたが、心地よい疲労感だった。
二人は、休憩しにラウンジに行った。
英慈は、遠く離れているので、もちろん、萌たちの会話は聞こえなかった。
萌たちがバッティングが終わるのを見届けると、英慈は急いで、ゴルフ練習場に戻った。
奥村「あ、先輩。遅かったっすね。」
英慈「奥村、俺ちょっと疲れたから、ラウンジ行って休んでるわ。
おまえは、まだゆっくり練習しといていいからな。」
奥村「そうですね。
僕はまだ練習します。
上手くなりたいですからね。」
英慈「じゃあ、お疲れ!」
英慈は、ラウンジに急いだ。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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