恋する弁護士たち
恋愛経験が少ない男女専門の結婚相談所・お見合い・婚活サービスは【ピュア婚】
登場人物のイメージ
飯島英慈(主人公 弁護士・市議会議員)
32歳くらいの時の玉木宏…風の人
相原萌(主人公 パラリーガル)
18歳くらいの時の有村架純…風の人
第26話 祈り
萌は台所を出て、和室の居間に行った。
英慈の布団を敷いた。
布団を引き終わると、英慈のスーツにアイロンをかけた。
ビショビショに濡れていたから、ハンガーにかけるだけだと乾かない。
英慈は晩ごはんを食べ終わって、居間に戻ってきた。
萌が自分のスーツにアイロンをかけているのを見て、英慈は感動した。
英慈「萌ちゃん、アイロンかけてくれてるんだ。ありがとう。
すごくうれしいよ!」
萌「…。これくらいはできますよ。私だって…。
あ、そうだ。英慈さんの歯ブラシ、洗面所に用意しておいたから、使ってください。新しいのを。」
英慈「ありがとう…。
…。
まるで新婚みたいだな…。」
萌「…。な、何言ってるんですかっ!」
萌は赤くなった。
英慈は少しからかってみたくなった。
英慈「萌ちゃんは、この部屋で寝るんでしょ?
布団一つだけど、この布団で二人寝るの?」
萌「…!!
バ、バカッ!
寝るわけないじゃないですかっ!」
萌は赤くなった。
アイロンがけが終わった。
スーツの上着はハンガーにかけて、ズボンはたたんでおいた。
萌「私は洗い物して、お風呂に入って寝ますね。
私、2階の自分の部屋で寝ますから。
何か用事があったら、呼んでください。
…。じゃあ、お休みさい。」
英慈はもう萌が行ってしまうことがつまらなかった。
せっかく一緒にいられるのに。
英慈は萌の腕をとっさにつかんだ。
英慈「萌ちゃん…。」
萌は振り返った。
目を大きく見開いた。
萌「え、英慈さん…。な、なに…。」
萌は、体が固まった。
押し倒されるんじゃないかと思った。
英慈は抱き寄せたかったけど、我慢した。
英慈「そのピンクの部屋着とポニーテール、似合ってるよ…。すごく。」
萌「あ、ありがとう…。」
萌は、顔全体が真っ赤になった。
体中の血液が全身を駆け巡った。
また、パンツがぬれた。
グショグショに濡れた。
萌(この人に抱かれたい。これが私の正直な気持ち…!)
萌「わ、私、洗い物しなくちゃ。
…。行くね。」
と言って、急いで部屋から出て行った。
しばらくして…
萌は洗い物を終えた。
萌は浴室の洗面所に行って、洗い終わった洗濯物を乾燥機に入れた。
萌は家事が一段落ついたので、お風呂に入った。
萌は英慈のことを考えると、胸がドキドキした。
エッチなことも考えてしまう。
体が熱くなり、いつも大切なところが濡れる。
萌(キスしてほしい。
抱いてほしい。
こんな気持ちになるなんて…。)
すごく苦しくなった。
司法試験がなければ、すぐにでもつきあっていたのかもしれない…。
萌(でも、いままでやってきたことはどうなるの…。
このままいったら、嵐に巻き込まれてしまう。
すべてが中途半端に終わってしまう。)
萌「どうしよう…。私はどうしたらいいの…。」
萌は苦悶していた。
萌(ダメダメッ!
こんなことを考えている場合じゃない!
おじいちゃん、今夜がヤマだ。
もし、今夜病院から電話がかかってきたら、もう危篤ってこと…。)
萌は、自分が恋愛のことばかり考えていたことを恥じた。
祖父の真一郎は、父親代わりになり、溢れるほどの愛情を注ぎ、萌を育ててくれた。
家族旅行や運動会、父親参観…、萌に寂しい思いは一切させなかった。
萌はいろいろなことを思い出していた。
萌「おじいちゃん…。」
萌は、また泣いた。
萌はお風呂から上がると、すぐに仏間に行った。
萌の母親の位牌が安置されている仏壇…。
その前に座った。
おりんを2回鳴らした。
背筋を伸ばし、お線香をたてて、目をつぶり手を合わせ祈った。
(お母さん、どうかおじいちゃんを助けて!
意識を戻して、後遺症もなく元の体に戻してください!
おじいちゃんを助けて!!
お願い…!!お母さん…!!)
どれくらいそこにいたかわからない。
ずっと、仏壇の前で祈りを捧げていた。
英慈は、遠くのほうからおりんの音が鳴っているのが聞こえた。
どこからともなく、お線香の匂いがする。
匂いの方向に行ってみた。
仏間の引き戸があいていた。
萌が座って、仏壇の前で真剣に祈っていた。
英慈は、胸が痛くなった。
英慈(萌…。)
英慈は、萌を守ってあげたいと思った。
自分に何ができるだろう…と、考えた。
萌は、決して人に甘えない。
何でも自分一人で抱え込んでしまう。
もっと、自分に頼ってくれたらいいのに…と思った。
健気な萌を思うと、切なくなった。
ひとしきり祈った後……
萌(もう12時か…。そろそろ寝ようかな…。)
萌は自分の部屋に戻ろうとした。
萌「あ、そうだ。」
萌は乾燥機の中に洗濯物が残っていることを思い出した。
乾燥機から洗濯物を取り出し、たたんだ。
英慈のYシャツと靴下と、パンツ…。
萌(まるで旦那さんの衣類をたたんでるみたいだわ…。)
さっきまでの暗い気持ちが、少しだけ和らいだ。
たたんだ衣類を英慈のいる和室に持っていった。
萌(あれっ、英慈さん、いない。
トイレにでも行ったのかな…?)
萌は疲れていたので、洗濯物を置いて、さっさと居間から出ていった。
萌は、やっと2階の自分の部屋に戻って横になった。
いつの間にか、雨は止んでいた。
英慈は眠れなかったので、外に出て夜空を眺めていた。
英慈は部屋に戻ろうとしたが、踵を返してあの仏間に行ってみようと思った。
どうしても気になる…
英慈は仏間に足を踏み入れた。
英慈(これが、萌のお母さんの位牌か…。
どんな人だったんだろう。)
英慈は写真を探したが、そこに写真はなかった。
英慈も仏壇に手を合わせて、真一郎の回復を心から祈った。
英慈は、他の部屋も覗いてみた。
大きい家だから、部屋数はたくさんあった。
実際に使っている部屋は少ないようだった。
使っていない部屋は、物置きになっていた。
英慈はある部屋に足を踏み入れた。
その部屋には、壁に島崎まりなのポスターが貼ってあった。
1枚どころではない。
部屋の壁全部に、びっしりとたくさんの島崎まりなのポスターが貼ってあった。
英慈「これは驚いたな!」
本棚を見ると、写真集やアイドル雑誌、記事の切り抜きのスクラップブック…と、島崎まりなの情報であふれていた。
その部屋は、真一郎の部屋のようだった。
茶色の和ダンスやゴルフクラブが入ったケースや釣具なんかが立ててあった。
英慈(萌のおじいさん、島崎まりなの大ファンだったんだな。)
窓辺の棚に目をやると、萌とおじいさん、おばあさんが3人で写っている写真がいくつか飾ってあった。
どの写真も幸せそうに笑っていた。
英慈(本当に仲の良い幸せな家族なんだな。)
写真を見て、英慈は切なくなった。
英慈(おじいさん…。
どうかこのヤマを乗り切って、必ず生きて戻ってきてください。)
と、心から願った。
英慈は真一郎の部屋を出て、居間に戻った。
続きはこちらから↓↓↓
ログイン エブリスタで連載しています!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
ブログランキングに参加しています ♪ ♪
↓ ↓ ↓
ポチっとしてくれたら、うれしいです♡
読者登録お願いします♪ ♪
金運・恋愛運アップのことなら、願いを叶える通販サイト「星のしずく」